米Global Sourcesは,中国本土における製造業界の給与などに関する調査結果を中国(香港)で現地時間9月15日に発表した。それによると,中国本土の給与は上昇傾向にあり,特に高学歴エンジニアの給料が伸びているという。

 調査は,Global Sources社が発行する「Electronic Engineering Times-China (EE Times-China)」誌が,電子エンジニア2287人を対象に実施したもの。博士号取得者の平均年収は1万685ドルで,前年と比べて12%増加した。修士号取得者の平均年収は前年比6%増の9853ドル,学士号取得者は同8%増の7104ドルだった。

 給与以外に重視する要素として,回答者の74%が「会社の年金制度」を挙げており,前年の61%と比べて増加した。そのほか,「医療保険や健康保険」が66%(前年は58%),「業績手当の支給」が64%(同54%)だった。

 「中国本土では,メーカーが民生機器の爆発的な需要に対応していることから,電子エンジニアの需要が大幅に増えている。同エンジニアは高い給料と,その他の十分な報酬を受けており,電子業界全体の活況を反映している」(EE Times-China誌発行者のMark A. Saunderson氏)

 エンジニアの平均労働時間は週48時間で,前年と比べて1時間増えている。業務内容は「通信システムの開発」が33%,「民生電子機器の開発」が30%,「パソコン,システム,周辺機器の開発」が18%だった。

 電子エンジニアの大半は「現在の職場はキャリアアップに役立つ」と考えているものの,63%は「積極的に転職先を探している」と回答。転職先を探す手段としては「転職サイトを利用する」(68%),「コネを使う」(55%),「就職説明会に参加する」(37%)が挙がった。

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