米PeopleSoftの役員会は,同社社長兼CEOのCraig Conway氏を解任し,同社設立者兼会長のDave Duffield氏を次期CEOに任命する決定を下した。PeopleSoft社が米国時間10月1日に明らかにしたもの。Duffield氏はPeopleSoft社を立ち上げた1987年から1999年までCEOを務めていた。

 また,共同社長にはKevin Parker氏とPhil Wilmington氏が就任する。Parker氏はCFO職と兼任し,社内事業を率いる。Wilmington氏は,海外事業の責任者となる。

 同社役員会はConway氏解任の理由について,「Conway氏の指導力に対する信頼が薄れたため」とし,「今回の人事はすべて役員全員一致の投票をもとに決議したもの」と説明した。

 同社役員のA. George "Skip" Battle氏は,「当社を立ち上げた革新的精神と価値を持つDuffield氏が指揮をとるのは,たいへん喜ばしいことだ」と述べた。

 Duffield氏は「当社にフルタイムで復帰することを非常に嬉しく思う。才能豊かな上級幹部チームと働くことを楽しみにしている」と語った。「今後は革新技術に焦点を当て,顧客との絆を密にし,当社が全従業員にとって素晴らしい職場となるよう新たな方針を進める」(同氏)

米メディアの報道(CNET News.com)によると,多くのアナリストが,今回のCEO交代は米Oracleの買収提案を受け入れる準備ではないかとみている。しかし逆に,Oracle社の提案をかわすためとみる者もいる。「大抵の場合,CEOの退任は,敵対的買収を仕掛けている側と協議する意図があることを示す。しかし,Duffield氏が自社を売るためにCEOに返り咲いたと考えるのはまったく見当違いだ」(米Adams Harknessのアナリスト,John Torrey氏)

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