米PeopleSoftは米国時間9月9日に,同社の敵対的買収計画をめぐる米Oracleと米司法省の裁判で,カリフォルニア北部連邦地方裁判所がOracle社寄りの判断を下したことに関してコメントを発表した。同社取締役会が裁判所の判決が同社に与える影響を検討するという。

 米司法省は,Oracle社のPeopleSoft社買収が独占禁止法に抵触するとしてOracle社を提訴していたが,連邦地裁は「原告側(司法省)は,Oracle社とPeopleSoft社の合併が市場の競争を著しく損なうという主張を証明していない」と判断。Oracle社が勝訴した(関連記事)。

 現在Oracle社が提示している買付額は,PeopleSoft社株式1株当たり21ドル。PeopleSoft社取締役会はすでにこの提案を拒否することを全会一致で決定している。「提示額は不適切であり,PeopleSoft社の真の価値を反映していない。米Citigroup Global Marketsと米Goldman, Sachsからも,1株当たり21ドルは不十分だとの助言を受けている」(PeopleSoft社)

 司法省は60日以内に控訴するかどうかを決定する。また,Oracle社の買収計画については,欧州連合(EU)の独禁法当局である欧州委員会(EC)が審理中である。米メディアの報道(CNET News.com)によると,Kilpatrick Stockton社弁護士で元司法省職員のStan Gorinson氏は,「今回の連邦地裁の判決は,ECの裁判にある程度影響を与えるだろう」と述べている。同氏は,ECが経済的分析を裏付けることができなかったために第一審裁判所で重要な訴訟に負けた例があることを指摘した。

 なお,PeopleSoft社は「Oracle社がPeopleSoft社製品のサポートについて意図的に誤った認識を顧客に植え付けるキャンペーンを行った」と主張し,10億ドル以上の補償的損害賠償を求める訴訟を起こしている(関連記事)。2004年11月1日にカリフォルニア州で審理が始まる予定である。

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