米Sun Microsystemsが,デスクトップ環境向けJavaソフトウエア開発プラットフォームの新版「Java 2 Platform Standard Edition(J2SE)5.0」の一般提供を開始した。Sun社が米国時間9月30日に明らかにしたもの。同プラットフォームとJava実行環境「Java Runtime Environment(JRE)」は,同社のWebサイトでダウンロードできる。

 J2SEは,デスクトップ・パソコン向けのJava規格。財務管理やデータ視覚化といった分野から,Webチャット,インスタント・メッセージング,マルチ・プレーヤ・ゲームなどさまざまなアプリケーションのプラットフォームとして利用できるという。同社は「1998年12月の公開以来,ダウンロード件数は1億5000万回にのぼる」とみる。

 新版では,ジェネリック型,列挙型,メタデータ,基本型のautoboxingなどの機能により,コード作成がより簡単かつ迅速に行えるという。システム管理機能「Java Management Extensions」でJava仮想マシン(JVM)とJava対応アプリケーションの監視と管理が行えるので,システムを安定して動かせる。SNMP対応のエンタプライズ管理システムも使える。「最新のGUIをJavaアプリケーションで使うことができ,完全な国際化対応も行った。LinuxおよびSolaris Operating Systems用のOpenGL APIを介し,ハードウエア・アクセラレーションも利用可能」(同社)

 さらに,起動時間の短縮,メモリー使用量の削減,アプリケーション全体の性能改善に向けたJVMの自動調整,開発効率の改善など,処理性能と拡張性も向上したという。

 J2SE 5.0の開発に参加した主な組織/企業は以下の通り。

 Apache Software Foundation,米Apple Computer,米BEA Systems,米Borland Software,米Cisco Systems,富士通,米Hewlett-Packard,米IBM,米Macromedia,フィンランドNokia,米Oracle,ドイツSAP,米SAS Institute,米SavaJe Technologies,Sun社。

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