米Sun Microsystemsは,デスクトップ環境向けのソフトウエア開発プラットフォームの新版「Java 2 Platform, Standard Edition(J2SE)1.5」(開発コード名はProject Tiger)のベータ版を公開した。Sun社が米国時間2月5日に明らかにしたもので,「高速化とコードの安全性向上により,開発者の作業効率と生産性を高められる」(同社)とする。

 J2SEは,デスクトップ・パソコン向けのJava規格。財務管理やデータ視覚化といった分野から,WWWチャット,インスタント・メッセージング(IM),マルチ・プレーヤ・ゲームなどさまざまなアプリケーションのプラットフォームとして利用できるという。

 新版のJ2SE 1.5について,同社は「開発作業の省力化,動的なアプリケーション監視/管理機能の追加,リッチ・クライアントへの対応,処理性能の改善を重点的に行った」と説明する。主な強化点は以下の通り。

・ジェネリック型,列挙型,メタデータ,基本型のautoboxingなど新機能を採用

・起動時間の短縮,メモリー使用量の削減,アプリケーション全体の性能改善に向けたJava仮想マシン(JVM)の自動調整,開発効率の改善など,性能の向上

・J2SE 1.5プラットフォーム上で開発したアプリケーションを既存のSNMP対応エンタプライズ管理システムに展開可能としたため,JVMソフトウエアによる監視/管理でより高いレベルの信頼性/可用性/保守性を実現

・システム管理機能「Java Management Extensions(JMX)」を導入

 J2SE 1.5対応の統合開発環境(IDE)として,同週ベータ版を公開する予定の「NetBeans 3.6」を用意する。対応OSは,Solaris Operating System,Windows,Windows XP,Linux。「NetBeans 3.6ではJ2SE 1.5との互換性を確保する程度だが,将来版の『NetBeans 4.0』はJ2SE 1.5プラットフォームの機能を十分活用できるよう最適化する」(同社)

 J2SE 1.5の詳細については,Sun社のWWWサイトに掲載している。NetBeans 3.6のベータ版は,WWWサイトで配布する。

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