米Sun Microsystemsは米国時間6月10日,モバイル分野に向けたJava技術の拡充について明らかにした。サンフランシスコで開幕したJava開発者会議「JavaOne Developer Conference」でJava関連の技術やツール,コミュニティ・サイト,取り組みを発表したもの。

 モバイルに焦点を当てた新たな開発者向けプログラム「Sun Developer Network Mobility Program」では,Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)アプリケーションを作成,テスト,実証するためのリソースを提供する。ソフトウエアやツール,技術トレーニングとサポート,設計計画,技術フォーラム,ユーザー・グループなどが含まれる。認定を受けたアプリケーションは,Sun社の企業間取り引きサイト「Sun Content Catalog」に掲載される可能性がある。

 企業向けポータル・サーバーの新版「Sun ONE Portal Server 6.2」では,モバイル向け機能の強化を図り,無線アプリケーションの設計,構築,導入を簡素化する「Sun ONE Mobile Application Builder」をバンドルする。

 そのほか,同社が発表した主な内容は以下の通り。

・消費者向けコミュニティ・サイト「java.com」。Java技術を採用している消費者向け製品やパートナ企業を紹介する。Java技術をベースにしたコンテンツやサービスを提供しており,消費者はこれを利用することでJava技術の用途について学ぶことができる。また,ゲームなどのJavaベースのアプリケーションを閲覧できるほか,「Java Runtime Environment(JRE)」をダウンロードすることが可能。

・開発者向けコミュニティ・サイト「java.net」。コラボレーション・ツールを提供し,業界や学術機関,消費者市場向けの実践的なJavaアプリケーションの開発を支援する。無線,企業,デスクトップ・パソコン向けの多数のオープン・ソース・プロジェクトにアクセスできる。当コミュニティ内で開発したアプリケーションやサービスは,java.comで紹介する。java.netのインフラ構築には,米CollabNetと米O'Reilly & Associatesが協力した。

・Javaアプリケーションのテストと認定プログラムを統一。米Motorola,フィンランドのNokia,ドイツのSiemens,スウェーデンEricssonとソニーの合弁企業Sony Ericsson Mobile Communicationsと協力し,Java対応携帯電話機向けのアプリケーションとサービスの普及促進を図る。

・Javaロゴのデザイン変更。数十社のサービス・プロバイダや民生電子機器メーカーと協力してブランディング・プログラムを進め,携帯電話やPDAにJava技術が利用されていることをより多くの消費者に認識してもらうことを目指す。

 「今やインターネットは,いかなる企業,製品,OSより偉大だ。そして,Javaはその統合力で,携帯電話機,医療装置,セットトップ・ボックス,サーバーなどWebに接続するすべてのものに,優れたセキュリティ,生産性,相互操作性を提供する。世界中でJava導入の動きが高まっており,Javaコミュニティ全体にとって,大きなチャンスの潮流が訪れようとしている」(Sun社ソフトウエア部門執行バイス・プレジデントのJonathan Schwartz氏)

 なお,Sun社は企業アプリケーションの開発を簡素化するツール「Project Rave」を今週発表する予定である。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]