米Sun Microsystemsは米国時間6月10日,デスクトップ・パソコンに向けたJava技術の取り組みについて,サンフランシスコで開幕したJava開発者会議「JavaOne Developer Conference」で明らかにした。

 Java技術をベースにしたデスクトップ向け開発では,コラボレーションや共有環境に対する開発者のニーズが高まっている。同時に,コンテンツやアプリケーションを検索するためのシンプルなツールを求めるエンド・ユーザーが増えている。こうした要求に応えることを目的に,Sun社は以下を含むWebサイトを開設した。

・Javadesktop.org:デスクトップ向け開発コミュニティのコラボレーション・サイト。意見交換の場を提供し,各種プロジェクトへの参加,J2SE対応コンポーネントの作成を呼びかける。

・Javagames.org:Java技術を使用するゲーム開発者向けのコミュニティ・サイト。チュートリアル,フォーラム,ブログ,コード共有/レポジトリを提供する。

・java.com:消費者向けWebサイト。Java技術を採用している消費者向け製品やパートナ企業を紹介する。Java技術をベースにしたコンテンツやサービスを提供し,消費者はこれを利用することでJava技術の用途について学ぶことができる。

 Sun社によると,Java 2 Platform, Standard Edition(J2SE)ソフトウエアのダウンロード件数が急増しており,「1カ月当たり400万件に達する勢いだ。世界中の5億5000万台強のパソコンのうち,半分以上にJava技術が利用されている」(Sun社)という。

 Sun社は,J2SEがLinuxデスクトップ「Mad Hatter」(開発コード名)で重要な役割を担うことを強調し,「Mad HatterはコストのかかるWindows搭載機に取って代わる,低コストでセキュリティと柔軟性の優れた製品だ」と述べた。

 J2SEの最新バージョン1.4.2は現在ベータ版の段階で,2003年6月末までに一般向けに無償配布を開始する予定である。

 またSun社は,JavaOneで「StarOffice Software Development Kit(SDK)」のデモンストレーションを行う。StarOffice SDKを使って,開発者はオフィス・スイート「StarOffice」に新たな機能を追加できる。StarOffice SDKは2003年10月にリリースする予定である。

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