米Sun Microsystemsは米国時間1月22日,開発者向けコミュニティ・サイト「java.net」でLinuxのコーナーを開設するとに発表した。また同社は,Solaris Operating Systemと,LinuxおよびWindowsプラットフォーム用のJava対応開発ツールを拡充する計画についても明らかにした。

 java.netは,WWWサイトによる開発者向けコミュニティ。さまざまな技術分野や垂直業界ソリューションに適用可能な,Java対応アプリケーション,ツール,サービスを扱っている。全世界で3万2000人の開発者が参加しており,ゲーム開発からデスクトップ技術,Java対応Webサービスなどのエンタプライズ開発など,700件のプロジェクトが関係しているという。

 同コミュニティのLinuxコーナーでは,Linux上で作業をしたり,Linuxプラットフォームを導入したりするJava開発者向けに,さまざまなサービスを提供する。具体的には,共同開発作業に必要なソフトウエア・ツールやプロジェクト・インフラの入手が可能という。コミュニケーションは,ブログ,WikiといったWWWベースのメディアを使って行う。

 またJava開発者向けツールのLinux対応計画の概要は以下の通り。

・エンタプライズ向け開発環境「Sun Java Studio Enterprise」と,ドラッグ&ドロップでJavaアプリケーションを開発できる新ツール「Sun Java Studio Creator」の出荷を2004年なかごろ開始する

・現行のJava統合開発環境(IDE)「NetBeans 3.5.1 IDE」に加え,新版の「NetBeans 3.6」とモバイル機器向け開発環境「Sun Java Studio Mobility」といった,Linuxアプリケーション開発を支援するツールを提供する

・「Sun Studio」,C/C++/Fortran言語用の開発環境などすべての開発ツールを,2004年末までにLinuxに対応させる

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,「米IBMが社内のデスクトップ環境をすべてWindowsからLinuxに置き換えることを計画中」という噂に対し,Sun社は「Linuxベースのデスクトップ・システム『Java Desktop System』を提供して協力する」とIBM社に申し出たという。

 このIBM社にまつわる噂は,「社内の全テスクトップ・システムを2005年までにLinux化する」という社内メモとされる情報が報道されたことに端を発する。ただしIBM社の広報部門は,この情報を否定した。

 Sun上級副社長のJonathan Schwartz氏は,「当社は社内のデスクトップ・システムをWindows環境からLinuxに変える計画を進めており,おそらく夏までに,遅くとも2004年末には全環境を非Windows化できる」と述べ,「IBM社の計画も支援できる」としている。この件に対し,IBM社は何もコメントしていない。

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