コンピュータ関連の部品/周辺機器メーカー40社が,ハード・ディスク装置用インタフェース規格であるシリアルATA(SATA)仕様の検討を進める団体「Serial ATA International Organization(SATA-IO)」を結成した。米Intelなどのメンバー企業が米国時間9月9日に明らかにしたもの。

 SATAは,シリアル・インタフェース版のATA規格。ハード・ディスク装置,DVD装置,CD-RW装置といったストレージ機器をパソコンに接続するためのインタフェースである。複数の信号線を利用するパラレル・インタフェースに比べ,信号線同士でのデータのずれや不ぞろい,電圧が影響を与え合う現象(クロストーク)が起こらないといったメリットがある。またピン数が少なく,コンピュータ・ベンダーがシステムの設計を簡易化でき,開発コストを抑えることができる。最新仕様は2004年7月公開のSerial ATA II Phase 2で,転送速度は3Gbsp。

 「SATA-IOは仕様の管理を継続するとともに,SATAの普及促進,製品の品質向上や相互接続性の確保も行う。新たな仕様策定も進め,今後10年間はストレージ業界で利用可能なよう通信速度の向上を図る」(Intel社上級主任技術者のKnut Grimsrud氏,同氏はSATA-IO会長に就任)

 SATA-IOに参加すると,メンバー専用の仕様策定Webサイトでドラフト版仕様を閲覧できるほか,最終版文書の無料コピー,各種技術のライセンス契約,相互接続実験への参加,SATAロゴの使用などが可能となる。

 なおSATA-IOの運営は,前身にあたる業界団体Serial ATA II Working Groupの発起企業(米Dell,Intel社,米Maxtor,米Seagate Technology,米Vitesse)による役員会が行う。

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