ストレージ機器をつなぐためのインタフェース規格「Serial ATA」の推進に取り組む業界団体,Serial ATA Working GroupがIntel Developer Forum(東京)の会場で,「Serial ATA II: Extensions to Serial ATA 1.0(Serial ATA II)」仕様を公開した。米Intelが10月24日に明らかにしたもの。

 Serial ATAはハード・ディスク装置やDVD,CD-R/Wなど内蔵ストレージ機器を,パソコンやサーバー,ネットワーク・ストレージのマザーボードと接続するための仕様。複数の信号線を利用するパラレル・インタフェースに比べ,信号線同士でのデータのずれや不ぞろい,電圧が影響を与え合う現象(クロストーク)が起らないといったメリットがある。またピン数が少なく,コンピュータ・ベンダーがシステムの設計を簡易化でき,開発コストを抑えることができる。

 Serial ATA IIについてSerial ATA Working Groupは,「2001年8月にリリースした「Serial ATA 1.0」を強化し,サーバー/ネットワーク対応ストレージ分野をカバーできるようにした」と説明する。

 Serial ATA IIの策定作業は次の2段階を経て進める。第1段階は同日発表したSerial ATA IIで完了した。Serial ATA Working Groupは,「同仕様の製品への導入は,2003年中ごろから増加する」とみている。続く第2段階では,2003年後半に転送速度に関する仕様を定める。こちらの仕様が製品に採用されるのは2004年後半という。

 なお,9月に米国で開催したIntel Developer Forum(IDF)において,NECと同社の米国法人NEC Electronicsが,最大8チャンネルの同時データ転送可能なSerial ATA対応試作LSIを開発したと発表している。また富士通の米国法人Fujitsu Computer Products of Americaは,「業界初」(同社)のSerial ATAアーキテクチャ対応2.5インチ型ハード・ディスク装置の展示を行った。

 さらに前週台湾で開催されたIDFでは,Intel社がPCI-XをSerial ATA IIに変換する「業界初」(同社)のコントローラ「Serial ATA Controller 31244」を発表している。

◎関連記事
米インテル,米デル,米APIなどが,次世代Serial ATAの作業部会「Serial ATA II Working Group」を発足
「HDDも速くなる」,インタフェースの新規格「Serial ATA」が完成
米インテルが動作周波数2.8GHzと2.6GHzの「Xeon」を発表,年末には新チップセットをリリース
米シーゲートと米LSI LogicがSerial ATA HDDの開発で提携
米アダプテック,iSCSIアダプタやInfiniBand対応システムなど各種I/O製品をデモへ
MicrosoftがWindows将来版でSerialATA対応に

[発表資料へ]