米Seagate Technologyは,記録容量5Gバイトの1インチ・ハード・ディスク装置(HDD)など,一連の新製品を米国時間6月14日に発表した。MP3プレーヤ,デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)といった民生電子機器をはじめ,ノート・パソコン,デスクトップ・パソコン,サーバー,企業データ・センターなどでの幅広い採用を想定した製品拡充により,「主要ディスク・ドライブ市場での地位を確保する」(Seagate社)としている。

 1インチ・サイズの「ST1 Series」は,記録容量2.5Gバイトと5Gバイトの2種類を用意する。携帯音楽プレーヤ,デジタル・スチル・カメラ,PDA,携帯ビデオ・プレーヤなどでの使用を想定する。「フラッシュ・メモリーにひけをとらないパフォーマンス,信頼性,電池寿命,コストを実現した」(Seagate社)。今夏に出荷を開始する。

 その他,今回発表した主な新製品は以下の通り。

・「DB35 Series」
 3.5インチHDD。記録容量は最大400Gバイト。DVRや家庭内メディア・サーバーなどの民生電子機器用。ビデオ・パフォーマンスや電力消費を管理する機能など,メーカーが同製品を調整するためのツールキットを備える。2004年秋に出荷を開始する予定。

・「Barracuda 7200.8」
 Native Command Queuing(NCQ)を備えたネイティブSATAインタフェースHDD。記録容量は最大400Gバイト。米Intelの「Hyper-Threading」といった最新のパソコン技術に対応する。パソコン・ゲーム・システム,エントリ・レベルのSATAサーバー,パソコン・ベースの家庭内メディア・サーバーなどに必要とされる高速データ転送を実現する。2004年秋に出荷を開始する予定。

・「NL35 Series」
 Fibre Channelインタフェースを採用。記録容量は最大500Gバイト。企業におけるデータ・バックアップ,ニアライン・ストレージ,比較的重要度の低い大容量データのストレージといったFibre Channelベースのインフラ用。2004年第4四半期に出荷を開始する。

・「Momentus 5400.2」「同7200.1」
 Momentus 5400.2は回転速度が5400rpm,50Gバイトのディスクを2枚組み合わせる。Momentus 7200.1は回転速度が7200rpm。「Seagate SoftSonic」流体軸受けモーターを使用。ともにノート・パソコン向け。非動作時の衝撃耐性は800Gs。出荷開始は2004年秋を予定している。

・「Cheetah 15K.4」
 回転速度は1万5000rpm。記録容量は最大147Gバイト。「ほとんどのI/O環境に対応し,主要な企業アプリケーションの要求に応える。平均故障間隔(MTBF)は140万時間」(Seagate社)。2004年第3四半期に出荷を開始する。

・「Seagate Cheetah 10K.7」
 回転速度は1万rpm。記録容量は最大300Gバイト。2004年第3四半期に出荷を開始する。

・「Seagate Portable External Hard Drive」
 2.5インチの外付けHDD。記録容量は最大100Gバイト。USB対応。2004年秋に出荷を開始する予定。

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