富士通の米国法人Fujitsu Computer Products of Americaは,厚さ9.5mmの2.5インチ・シリアルATA(SATA)ハード・ディスク装置(HDD)「MHT-BH」を米国時間1月5日に発表した。このサイズでネイティブ・コマンド・キューイング(NCQ)対応SATA Extensions機能を備えるHDDは,世界で初めてという。

 MHT-BHは,米Marvell Semiconductorの開発した単一チップのシリアルATA SOC「Marvell 88i6535 SOC」を搭載しており,ブリッジLSIを使用する必要がない。そのため「シリアルATAインタフェースのメリットを生かし,従来のパラレルATA対応製品と同程度の価格を実現できた」(Fujitsu Computer社)

 NCQにも対応しており,ハード・ディスク・コントローラに最大32個の命令を保持(キューイング)して順番を入れ替えられる。「キューイング機能により,HDDの全体的な性能を大幅に高めらる」(同社)

 同HDDの主な仕様は以下の通り。

・記憶容量:40Gバイト,60Gバイト,80Gバイト
・回転速度:5400rpm
・記録密度:69Gビット/平方インチ
・インタフェース:シリアルATA II Phase 1,ATA-7(NCQ,スタッガード・スピン・アップ,ホット・プラグ)
・トラック間シーク・タイム:1.5ミリ秒
・ホスト転送速度:150Mバイト/秒
・動作時の耐衝撃性:225G(2ミリ秒)

 同社はMHT-BHのサンプル出荷を2004年4月に開始する予定。

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