米ABI Researchは米国時間9月7日に,携帯電話業界の今後の動向について分析した結果を発表した。それによると,二つの脅威が携帯電話メーカーを待ち受けているという。

 一つは,シャープの進出だ。エアコンやテレビといった家電の大手メーカーである同社は,米国の携帯電話市場では目立った存在ではなかったが,シャープ製の携帯電話が登場し始め,市場シェアを伸ばすほど勢いづいている。

 さらにシャープは,携帯電話市場の中でも急成長している分野の影で,大きなプレゼンスを築いている。それはカメラ付き携帯電話である。同社は,携帯電話に内蔵するカメラ・モジュールを他社メーカーに提供している。「シャープは携帯電話市場に2種類の収入源を持ち,たいへん有利な立場にある」(ABI社)

 ABI社無線調査担当ディレクタのLance Wilson氏によると,シャープが市場シェアを獲得し始めている一方,フィンランドのNokiaはシェアが減少し続けているという。

 もう一つの脅威は,モバイル・サービス・プロバイダが新たな携帯電話を設計し,直接ODM(Original Design Manufacturer)と契約するケースが増えていることだ。しかし,これがどれほど大きな脅威に発展するかは,「現段階では臆測の域を出ない」(同氏)。

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