米IDCは,世界のカメラ付き携帯電話機市場に関する調査結果を米国時間10月9日に発表した。それによると,同市場の将来は明るく,無線通信事業者が,ユーザーのハードウエアとサービスに関するニーズを理解して対応すれば,ますます売り上げの上昇が見込めるという。

 同調査結果によれば,カメラ付き携帯電話機の数は急増する。世界の出荷台数は,2002年の1900万台が2007年には2億9800万台まで増加するという。しかし,ユーザーの満足度の決め手としては,関連するデジタル・イメージのサービスが鍵になるという。

 6カ月以内にカメラ付き携帯電話機の購入を予定している人の44%は,イメージの送受信を行なう機能を搭載するために,標準のサービス料金に追加して月額21ドルを喜んで支払うと回答している。しかし,過去の結果を見ると,現在の加入者の3分の1は,同機能の利用を数カ月で止めている。そのため,同市場において長期的な成功を収めるためには,ユーザーの満足度を上げて,顧客保持の割合を安定させることが重要だという。

 カメラ付き携帯電話機がさらに普及して同市場が長期的に成功するために,電話機メーカーは,ボタン操作が簡単な携帯電話機を製造することにより,その役割を果たしている。また,先ごろのNokia社,T-Mobile社,Amazon社の提携のように,通信事業者との提携により新規加入者に無料で新しいカメラ付き携帯電話機を提供しているメーカーもある。通信事業者側は,低価格/無料のイメージ送信サービスを期間限定で新規加入者に提供している。

 その他の主な結果は次の通り。
・コストの軽減とフォーム・ファクタの改善が,携帯電話機メーカーによる携帯電話搭載機の製造を促進している。

・カメラ付き携帯電話機の新規ユーザーは,写真の送受信に料金を払うが,大衆市場における長期的な傾向は把握できない。

・米国と欧州における2.5世代無線ネットワークの成熟により,新しい機会が開けるとともにアジア地域との格差が縮小される。

・デバイスの出荷数は増加しているが,長期的な成功には顧客満足が重要。

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