米Gartnerは米国時間6月8日に,2004年第1四半期における世界携帯電話機市場に関する調査結果を発表した。2004年第1四半期は,すべての地域で販売台数が伸び,世界市場で前年同期比34%増の1億5300万台となった。第1四半期の販売台数としては「過去最高」(Gartner社)という。

 Gartner社主席アナリストのBen Wood氏は,「中国の旧正月がアジア太平洋地域の販売台数をけん引したほか,新興市場の安定した成長や,成熟市場における買い替え需要の盛り上がりが,好調な四半期を生んだ」と説明する。「この調子だと,2004年の総販売台数は6億台を越えるだろう」(同氏)

 ベンダー別にみると,上位5社はいずれも販売台数が伸びた。しかし,フィンランドのNokiaは,欧州と北米における販売台数の減少によって,市場シェアが大幅に縮小した。Wood氏によると,製品ラインが充実していなかったことと,西欧の携帯電話事業者がNokia社製品の採用に積極的でなかったことが災いしたためである。

 また,不調が続いていた米Motorolaは西欧市場の需要をつかみ,販売台数が回復した。とりわけ,同社のカメラ付き携帯電話機「V300」「V500/525」「V600」が成長に貢献した。

■2004年第1四半期におけるエンドユーザー向け携帯電話機の世界販売台数(単位:1000台)

ベンダー名      2004年Q1                   2003年Q1 
                販売台数 市場シェア     販売台数 市場シェア
Nokia        44,237.5       28.9    39,479.2      34.6
Motorola     25,111.0       16.4    16,704.1      14.7
Samsung      19,062.5       12.5    12,303.1      10.8
Siemens      12,285.9        8.0     8,684.6       7.6
Sony Ericsso    8,488.6        5.6      5,384.8       4.7
LG            8,109.9        5.3    5,571.1       4.9
その他       35,708.5       23.3     25,900.3      22.7
合計        153,004.0      100.0    114,027.1     100.0

注記:数字には,iDEN対応電話機とWLL製品の販売台数を含むが,
ODM,OEM製品は含まない。

出典:Gartner社

 地域別にみると,西欧ではクリスマス時の販売プロモーションの余波と,買い替え需要が販売台数をけん引した。北米では,CDMAとGSM事業者の競争によって,販売台数が前年同期と比べ30%成長した。アジア太平洋地域では,オーストラリア,中国,インド,タイにおける販売が好調だった。また,第1四半期における日本の販売台数は,1100万台以上にのぼった。

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