ハリケーン「フランシス」で被害を受けたフロリダ州における携帯電話サービスの復旧について,米Cingular Wirelessと米Sprintが米国時間9月6日に対策を明らかにした。

 Cingular社は,日曜日にネットワーク技術者を最も被害が大きい地域に派遣し,夜通し復旧サービスを行い,150以上の非常用発電器を設置した。

 同社がフロリダ州で提供している携帯電話サービスのうち,85%は稼働しているという。同社は,ハリケーンの影響で携帯電話の使用に支障が生じた主な原因を,「商用電源の供給停止」(Cingular社)としている。

 Cingular社は事前に590以上の携帯型発電機をジョージア州,アラバマ州,ミシシッピ州などからフロリダ州に集めたほか,フロリダ州レークメリー,ジャクソンビル,レークランド,マーゲイトの早期対応施設に予備のネットワーク装置を用意していた。

 また同社は,無料の緊急通報局をフロリダ州内に設置。さらに,赤十字,フロリダ州兵,フロリダ州緊急事態活動センターなどのスタッフに1360台以上の携帯電話機を提供している。

 Sprint社は,技術者の派遣を開始し,復旧作業の安全が確保でき次第,携帯型発電機の設置を行うとしている。9月6日時点で,同社サービス加入者の約17万4000人の携帯電話が不通に陥っているという。なお,Sprint社も赤十字に携帯電話機を提供している。

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[発表資料(Cingular社)]
[発表資料(Sprint社)]