「フロリダ州で損害/災害保険事業を展開している米Florida Farm Bureau(FFB)が,当社の技術を活用して保険金支払い業務の効率を向上させている」。米MapInfoが米国時間8月23日に明らかにしたもの。FFB社はMapInfo社の地理情報システム(GIS)を使い,8月13日に上陸した大型ハリケーン“チャーリー”による被害状況をあらかじめ見積もっておくことで,顧客対応の迅速化を図った。

 チャーリーが通過したことで,フロリダ州の住民1700万人のうち600万人以上が被災した。政府当局は被害額を,損壊した家屋の保険金だけで約110億ドルになるとみている。

 FFB社はMapInfo社の技術を使用し,地域ごとに被害の大きさと保険契約者の数を調べた。保険金請求が多く発生すると思われる地域には,多くの査定人を割り当てたり,臨時事務所を開設したりして,より迅速な顧客対応を行える態勢を整えた。

 FFB社上級戦略プランナのSteve Wallace氏は,「チャーリーのような大災害が発生したときには,“誰が,どこで,どれほどの被害を受けたか”という問題の解決にGISが欠かせない」と述べる。

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