地理情報システム用データの標準化を進める非営利業界団体Open GIS Consortium(OGC)は,XMLベースの地理情報記述言語の新版「Geography Markup Language version 3.0(GML 3)」を承認した。OGCが米国時間2月6日に明らかにしたもの。「GML 3ではXML形式でデータをエンコーディングしているので,異なるシステム間で地理データやその属性を容易にやり取りできる」(OGC)

 新版の特徴の一つは,モジュール構造を採用したことにあるという。「これによりユーザーは必要なモジュールだけを用意すればよいので,実装作業が簡単になり,実装サイズも最小限に抑えられる」(OGC)。そのほかに新版では,空間/時間的参照システム,位相幾何学,複数の縮尺,メタデータ,グリッド付きデータ,地勢/領域を視覚化する際のデフォルト・スタイル――などを追加した。

 OGCでは,「GML 3はGML 2に対してほぼ完全な下位互換性があるので,GML 2を使い慣れた開発者やユーザーでもすぐにGML 3で作業を開始できる」と説明する。「GML 2同様GML 3は,地理情報を扱うWebサービスでの地理オブジェクトの記述において,重要な役割を果たすことになるだろう」(OGC)

 GML 3の仕様書は,OGCのWWWサイトからダウンロードできる。

 GML 3仕様の策定に協力した主な企業は以下の通り。オーストラリアCSIRO Australia,カナダGaldos Systems,ドイツinteractive instruments,米BAE SYSTEMS Mission Solutions,米US Census Bureau,米POSC,米MapInfo,米Oracle,NTTデータ,英Laser-Scan Ltd。

◎関連記事
米Motorola,無線通信事業者/自動車製造業者向けに位置情報サービス・ソフトを発表
米マイクロソフト,地図/位置情報サービスの新版「MapPoint .NET version 3.0」を発表
米MapInfoとスウェーデンのMobilarisが無線通信事業者向け位置情報サービスで提携
米コンパックの「iPAQ Pocket PC」と米ESRIのGISソフトを森林火災の消防活動に
「2007年には位置情報サービスがモバイル・データ・サービス売上高の40%以上を占める」,英調査
「位置情報サービス市場は4年後に現在の350倍,普及は2002年から」と米In-Stat
GIS(キーワード3分間講座)
たこ焼きの売り上げがGISでアップする――あなたの会社も検討しては?

[発表資料へ]