英SurfControlは,2004年8月のスパム・メールに関する調査結果を米国時間8月30日に発表した。それによると,同月は「Google」「Olympic Games」などをキーワードとした,スパム・メールが急増していることが明らかとなった。「新しいテクニックを用いたり,開催中のイベントで関心を引いたりして,エンド・ユーザーをだまそうとしている」(同社)

 今週発見された「Google」関連のスパム・メールは,件名が「Google,# 1 Search Engine」となっており,ポップ・アップ広告やスパイウエアをブロックする最新のGoogleツールバーのダウンロードを推奨するメールのように見せかけている。しかしリンクをクリックすると,ウイルスに感染したファイルをダウンロードしてしまうことになる。

 SurfControl社のコンテンツ・チームは「このような電子メールがスパム・メールだと判断するポイントがいくつかある」と説明する。例えば(1)送信者のアドレスがGoogleではなく,個人の名前となっている,(2)ツールバーのダウンロード先が不審なWebサイトにリンクされている,(3)HTMLを使用せずに,画像をメッセージの中に組み込んで米Microsoftの「Outlook 2003」のスパム・ブロック機能を回避している,などである。

 その他にも,米U.S. Bankからのメールを装って,パスワードやPIN(暗証番号)などの個人情報やセキュリテイ情報を取得しようとするフィッシングが発生している。「Olympic Games(オリンピック・ゲーム)」「ATHENS 2004(アテネ2004)」 「ATHENS RANKS(アテネ・ランキング)」など,オリンピックに関連した件名でメールを送付し,そのスポンサとして企業名を提示して,バイアグラ広告のリンクを示すものもあるという。

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