英Clearswiftは,2004年5月のスパム・メール状況に関する調査結果を米国時間6月23日,発表した。それによると,ヘルスケア製品に関するスパム・メールが半数以上を占める一方で,格安ソフトウエアや株式投資に関するスパム・メールが急増しているという。

 同調査は,Clearswift社が設定した電子メール・アカウントと,同社製品ユーザー2000万人が受信したスパム・メールを分析したもの。

 ヘルスケア製品に関するスパム・メールが全体の54.4%に達した。次いで,融資や株式投資など,金融関連のスパム・メールが24.6%を占めた。格安ソフトウエアに関するスパム・メールが占める割合は6.6%だが,件数は前月に比べ倍増した。

 Clearswift社によると,株式投資に関するスパム・メールは手口が巧妙になっている。「ユーザーの関心を引くために,株式市場の推移や,過去に紹介した銘柄の株価がどれだけ上昇したかに触れるようになった」(同社)

 ソフトウエアの不正コピーを監視する業界団体Business Software Alliance(BSA)は,格安ソフトウエアを宣伝したスパム・メールを通じてソフトウエアを購入しないように呼びかけている。格安ソフトウエアは違法に複製された可能性が高いほか,欠陥製品を受け取ったとしても何ら保証はないからだ。

 Clearswift社リサーチ担当ディレクタのAlyn Hockey氏は,「価格の安さにつられて,スパムメールのリンクをクリックしないことだ。違法コピー品のリスク以外にも,ウイルス感染の恐れがある」と警告した。

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