英Clearswiftは,2004年7月のスパム・メール状況に関する調査結果を米国時間8月16日に発表した。それによると,ポルノ関連のスパム・メールは6月からおよそ350%増加している。また,ヘルスケア関連(大半がバイアグラ)のスパムも大幅に増加した。

 ポルノ関連のスパムは,前年も夏期に急増している。これは,スパマーが意図的に行なっているものとみられる。同社は,不適切な画像の配布によって企業の評判が被る被害を回避するために,IT管理者は絶えず注意する必要があると警告している。

 また,同社のリサーチ・ディレクタであるAlyn Hockey氏は,「これらの画像は不快感を与えるだけでなく,これらの電子メールの大部分がユーザーを欺いて,Webリンクや添付した圧縮ファイルに隠したウイルスに感染させようと試みている」とコメントしている。

 同調査によれば,危険にさらされているのはスパムの受信者だけではない。バイアグラの製造元である米Pfizerは,先ごろ電子メールやWebサイトを介して偽物の可能性がある製品を大げさに宣伝するスパマーに対して法的なキャンペーンを開始した。Pfizer社が実施した調査によれば,25%の男性は,バイアグラをテーマにしたスパムの送信がPfizer社自身に責任があると考えていることが明らかになった。

 また,Clearswift社は,ウイルスに関する調査結果も今回初めて発表した。ウイルスの流布や攻撃は,ゾンビやピア・ツー・ピアのネットワークを利用して勢いを増しているという。同調査期間において,もっとも検出数が多かったウイルスは,Zafi-Bだった。Zafi-Bは,電子メールの添付ファイル,ピア・ツー・ピアのファイル共有システムの両方で広がるもの。Netsky-PとNetsky-Dが僅差でこれに続いた。

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