米Sprintと米SBC Communicationsが,Wi-Fiサービスの相互ローミングに関する提携を結んだと米国時間8月27日に発表した。両社のユーザーは,現在使用中のユーザーIDとパスワードでそれぞれ相手側のサービスを利用できるようになる。料金は,現在の契約内容をそのまま適用する。両社はローミング対応作業を進めており,「できるだけ早く各施設で提供を始める」(両社)という。

 Sprint社は,カンザスシティ,ソルトレークシティ,ルイビル国際空港,テキサス州アディソンの会議場,バージニア州タイソンズコーナーのショッピング・センターなどでWi-Fiサービスを提供している。一方,SBC社は,空港,ホテル,喫茶店,米United Parcel Service of America(UPS)の出張所など全米の2300カ所以上に「SBC FreedomLink」を展開している。

 「ユーザーは一貫性のあるサービスを求めている。(複数のサービスを)1つのアカウントで利用できることで利便性が高まり,当社の『PCS Wi-Fi Access』サービスの対象となる無線LANアクセスポイントが増えて生産性が向上する」(Sprint社無線LANサービス担当ジェネラル・マネージャのWes Dittmer氏)

 「Sprint社のユーザーが米国最大規模のWi-FiネットワークであるSBC FreedomLinkに接続可能となるので,当社としては,ネットワーク使用量が増え,売り上げ拡大につながる」(SBC社Wi-Fi推進担当副社長補佐のDennis Whiteside氏)

 なおSprint社は,米AT&T Wireless,米AirPath Wireless,米WayPort,米STSN,米TruckStop.netともローミング契約を結んでおり,米国およびカナダの2600カ所以上でWi-Fiサービスが利用できる。2004年末には,1万カ所以上でPCS Wi-Fi Accessを展開したい考えという。一方SBC社は,2006年末までに無線LANアクセスポイント数を2万カ所以上に増やす計画を立てている。

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