米Sprintと米Concourse Communications Groupは米国時間12月2日に,Wi-Fiローミングに関して協力体制を敷くことを明らかにした。Sprint社のWi-Fiアクセス・サービス「PCS Wi-Fi Access」の加入者が,米国の主要な空港で,Concourse社のWi-Fiネットワークを利用できるようにする。

 ラガーディア国際空港とミネアポリス・セントポール国際空港で,すでにサービスの提供を開始している。2004年初頭には,デトロイト・メトロポリタン,JFK,ニューアーク空港でもサービスを始める予定である。

 同サービスを利用するには,Wi-Fiインターネット・カードあるいはWi-Fi機能を内蔵したモバイル・デバイスが必要。接続管理ソフト「PCS Connection Manager Software」により,Wi-Fi対応のノート・パソコンを使って,Sprint社のネットワークに対応した数百カ所の「Wi-Fi ZONES」でインターネットにアクセスできる。Wi-Fiアクセスが可能な場所の検出や一覧表示も可能。

 Sprint社のPCS Wi-Fi Accessは,802.11b技術を用いた高速無線データ・サービスで,「モバイル機器を頻繁に利用するユーザーは,外出先でもデスクトップ環境と同じように,インターネットや電子メール,企業アプリケーションにアクセスすることができる」(Sprint社ビジネス・マーケティング部門バイス・プレジデントのPhil Bowman氏)。

 「当社は,空港やホテル,コンベンション・センターのような多くの人々が行き交う場所でWi-Fiサービスを提供することに注力している。ユーザーが最も無線接続の必要性を感じ,最も恩恵を受けられる場所だからだ」(Sprint社)

 なおSprint社は,2004年初頭には2100カ所以上でPCS Wi-Fi Accessを利用可能にしたい考えである。

 ちなみに,Concourse社は, 米iPass,米STSN,米Boingoともローミング提携を結んだことを,同日明らかにしている。

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