Webサービスの普及促進を図る業界団体Web Services Interoperability Organization(WS-I)は,Webサービス用ガイドライン「Basic Profile 1.1」,SOAPメッセージの構造規定プロファイル「Simple SOAP Binding Profile 1.0」,SOAPメッセージの添付データ用プロファイル「Attachments Profile 1.0」を承認し,最終成果物(Final Material)として公開した。WS-Iが米国時間8月24日に明らかにしたもの。WS-IのWebサイトで提供している。
これらプロファイルにより,「データ添付可能なWebサービス・アプリケーション用の柔軟な仕組みが使えるようになり,アプリケーション間の相互接続性を確保できる」(WS-I Basic Profileワーキング・グループ議長のChris Ferris氏)。
Basic Profile 1.1は,どのように主要Webサービス仕様を使えば相互接続性のあるサービス開発が可能になるかを示したガイドライン。新版の1.1では,プロファイル自身に対するバインディング用エンベロープのシリアライズ条件を,Simple SOAP Binding Profile 1.0として分けて構造を変更した。その結果,Simple SOAP Binding Profile 1.0やAttachments Profile 1.0など,あらゆるエンベロープ・シリアライズ用プロファイルと組み合わせ可能となった。
Simple SOAP Binding Profile 1.0は,SOAP 1.1のメッセージ転送用XML構造である“エンベロープ”の使用条件を規定する仕様で,エンベロープのシリアライズなどに関係している。
SOAPには,メッセージにデータを添付するMIMEマルチパート関連構造を定義するSOAP Messages with Attachments(SwA)仕様がある。Attachments Profile 1.0は,SwA形式の添付データを転送する機能をBasic Profile 1.1に付加するプロファイルである。
なおWS-Iは,現在これら3つのプロファイル用のサンプル・アプリケーションと試験ツールについて,開発を進めている。
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