米NanoMarketsが,MRAMやFRAMなどの新しいタイプのメモリー素子を使ったストレージ機器“ナノストレージ”に関する調査結果を米国時間8月18日に発表した。それによると,ナノストレージ機器市場は2011年に657億ドル規模という。NanoMarkets社は,2011年のハード・ディスク装置(HDD)およびメモリー素子市場を1660億ドル規模と予測しており,その40%弱をナノストレージ技術が占めることになる。
同社はナノストレージを,MRAM,FRAM,ホログラフィック・メモリー,OUM,分子メモリー,ナノチューブRAM,マイクロマシン・メモリー,ポリマー・メモリーなどを利用したストレージ機器と定義する。「これらメモリー素子は,いずれも2年後に収益が得られるようになる」(同社)
同社によると,「ユビキタス・コンピューティング環境では,高速で安価な大容量不揮発性メモリーが必要」という。「DRAM,SRAM,フラッシュ・メモリーはこうした要求に応えられないが,ナノストレージ技術なら対応できる」(同社)
さらに同社は「ナノストレージ技術がHDD業界にも大きな影響を及ぼす」と分析し,「HDDとメモリー素子の境界を取り払い,携帯用のエンターテインメント機器やパソコンで使用されている小型HDDを低コストで置き換える可能性がある」(同社)と指摘する。
同社が予測する各メモリー技術の市場規模は以下の通り。
■ナノストレージ技術関連の市場規模(単位:100万ドル)
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2004年 2008年 2011年
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MRAM 2 3,843 12,929
FRAM 95 1,283 4,547
ホログラフィック・メモリー 0 3,287 6,913
非光相位相メディア/OUM 0 1,144 4,836
分子メモリー 0 1,408 7,177
ナノチューブRAM 0 1,921 8,852
マイクロマシン・メモリー 0 2,120 6,451
ポリマー・メモリー 0 1,359 7,879
その他 0 1,550 6,129
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合計 97 17,915 65,712
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出典:NanoMarkets社
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