米Microsoftは,オフィス・アプリケーション・スイート「Microsoft Office System」用のアップデート・プログラム「Microsoft Office 2003 Service Pack 1(SP1)」のダウンロード提供を開始した。Microsoft社が米国時間7月27日に明らかにしたもの。各アプリケーションの信頼性と処理性能の改善を図ったほか,「Microsoft Office OneNote 2003」「同InfoPath 2003」用の新機能も提供する。

 SP1によって,InfoPathでは管理コードとXMLスキーマ用のツールが使えるようになる。手書き入力機能の追加や,InfoPath形式の電子メール添付ファイルへの対応改善,電子署名機能の強化なども行っており,「InfoPath対応ソリューションを従来より迅速かつ簡単に作成できる」(同社)

 OneNoteについては,ほかのOffice 2003アプリケーションやモバイル機器との連携を強化した。Office文書を直接OneNoteに取り込めるようになったほか,「Microsoft Office Outlook 2003」からスケジュール情報の入力,Outlook 2003用の連絡先/スケジュール情報の作成,「Microsoft Office Word 2003」へのページ発行が可能となった。Windows Mobile対応Pocket PCやスマートフォンからOneNoteへノートを直接コピーしたり,ノートと自動同期するビデオ・ノートを撮影したりする機能も新たに提供する。

 Outlookでは,スパム対応機能を強化した。電子メール送信者の国情報やメッセージの文字エンコーディング形式を参考に,スパムと判断した電子メールはスパム用フォルダに移動させる。また,電子メール送信時には宛先のアドレスを取得し,自動的に「Safe Sender(安全な送信者)」リストへ加える。このリストの情報は,スパムをフィルタリングする際に利用する。

 Office 2003の登録ユーザーは,SP1をWebサイトから適用できる。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Microsoft社Office管理&アップデート・サービス担当ディレクタのJeanne Sheldon氏は「主要アプリケーションのWordとExcelでは安定性と処理性能の向上に重点を置き,SP1では目立たない部分を改善した」と述べたという。

 さらに同社は,Officeアプリケーションの配布やサポートを支援する新しいツール「Access Conversion Toolkit」の提供も開始した。SP1とは個別に,Webサイトからダウンロードする。

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