米Microsoftは,描画および図形作成プログラム「Microsoft Office Visio 2003」用のXMLスキーマ集「DataDiagramML」をロイヤルティ・フリーで提供すると米国時間4月15日に発表した。同スキーマ集の提供は,Microsoft社が2003年11月に発表した「Office 2003 System」用ロイヤルティ・フリーXMLスキーマ公開活動Open and Royalty-Free Office 2003 XML reference schema programの一環である。

 DataDiagramMLを使用すると,VisioのXMLファイル形式でW3C(World Wide Web Consortium)互換の記述ができる。その結果,Visioの図表から情報を取得することや,その情報をほかのXML対応アプリケーションで利用して業務プロセスの一部として扱えるようになるという。

 同スキーマ集によって得られる効果について,Microsoft社Office Visio担当ジェネラル・マネージャのRichard Wolf氏は,「Visio 2003がXML Webサービス用スマート・クライアントとして使えるので,バック・エンド・システムの複雑なデータを分かりやすい図表で処理でき,業務プロセスの可視化が大きく進展する」と述べる。

 「当社はVisio用XMLスキーマに関係する文書も提供するので,組織や開発者はロイヤルティ・フリー・ライセンスに基づいてソリューションを作成できる。このことは,Visioを開発プラットフォームとして強化するだけでなく,当社のXML標準に対する取り組みを回復させることにもつながる」(同氏)

 DataDiagramMLは,同日より同社の開発者向けサイト「Microsoft Software Developer Network(MSDN)」内のMicrosoft Office Developer Centerでダウンロード可能とする。同社のXML schemas向けロイヤルティ・フリー・ライセンス・プログラムの詳細は,Webサイトに掲載している。

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