米Microsoftは,同社のコンセプト「統合的革新(integrated innovation)」に向けた取り組みについて明らかにした。カナダのトロントで開催中の会議「Microsoft Worldwide Partner Conference 2004」で現地時間7月12日に,新製品の予定や新たなパートナ向けプログラムについて発表したもの。

 Microsoft社は,「『統合的革新』は,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)やリセラーなどのパートナとの強い関係の上に実現されるもの」と説明。「企業が所有する各種のITコンポーネントを連携させて,ビジネスの課題を克服し,プロセスの自動化を進め,顧客に実体のある価値を与えられるようなソリューションをパートナとともに提供する」(Microsoft社)

 Microsoft社Windows Client Business部門上級バイス・プレジデントのWill Poole氏は,「Windows XP Service Pack 2(SP2)with Advanced Security Technologies」が8月に製造段階(RTM:Release To Manufacturing)に入ることを明らかにした。同製品は,新版の「Windows Update」サービスを通じてユーザーに提供する。また,無料のCD媒体でも配布する。

米メディアの報道(CNET News.com)によると,Microsoft社は今年の初めに,Windows XP SP2のリリースを当初の予定である6月から7月に延期すると発表したが,再びリリースが遅れることになる。

 またPoole氏は,パートナ企業のWindows関連製品を販売するオンライン・ストア「Windows Marketplace」を2004年秋に開設することを発表した。ユーザーは,同サイトでWindows対応のソフトウエア,ハードウエア,周辺機器などを選び,購入することができる。ソフトウエアはダウンロード形式で入手可能。

 Microsoft社は,システム・ビルダーを通じた「Windows XP Media Center Edition」の提供を,年内に開始する。システム・ビルダーは,Microsoft社と提携しているOEMと組んで,Windows XP Media Center Edition搭載パソコンを出荷することができる。

 さらに,パートナ企業のデスクトップ導入を支援する新プログラム「Desktop Deployment Solution」と「Desktop Lifecycle Management」を提供する。中核となる「Solution Accelerator for Business Desktop Deployment(BDD)」には,プロジェクト管理,技術ガイダンス,プロジェクト・テンプレート,スクリプトなどが含まれる。また,オンライン・トレーニング,オンライン研究所,認定試験なども利用可能にする。

 そのほか,Microsoft社Server Platform部門上級バイス・プレジデントのPaul Flessner氏は,「Windows Server System」に関する技術や取り組みの概要を説明した。「ITの煩雑さを削減し,パートナ企業が柔軟性に富んだ管理しやすいビジネス・ソリューションを,より早く,より低いコストで提供できるようにする」(同氏)とする。同製品を構成要素とする構想「Dynamic Systems Initiative(DSI)」は,開発段階にあるアプリケーションの管理性を向上し,製品ライフ・サイクルを通じて開発者,ITプロフェッショナル,エンドユーザーが密に連携する環境を目指す。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]