MPEGビデオ特許のライセンス管理会社,米MPEG LA(Licensing Administrator)は,デジタル著作権管理(DRM)に関する参照モデルの新版「DRM Reference Model 2.0」を米国時間7月20日に発表した。同モデルは,モバイル通信の業界団体Open Mobile Alliance(OMA)のDRM仕様「OMA DRM 1.0」をカバーする。

 DRM技術はデジタル情報の保護と管理に幅広く用いられており,パソコン,モバイル,電子機器への電子メディア配布システムで重要なカギを握る。DRM Reference ModelはDRMシステムの構成要素を記述し,「DRMで必要不可欠な特許を評価および決定するための基盤を作るのが目的」(MPEG LA)という。

 「DRM Reference Model 1.0」では,OMA DRM 1.0および「Internet DRM Music Distribution」で使用予定のDRM技術が,ほぼすべて含まれていた。DRM Reference Model 2.0は,1.0の技術的な修正に加えて,OMA DRM 1.0やInternet DRM Music Distributionをカバーしたライセンスの提供も明確に視野に入れる。さらに,「OMA DRM 2.0」や「MPEG-21」などのDRM仕様が発表されたときは,MPEG LAがこれらに対応したサブライセンスを設計および提供する。

 MPEG LAは,DRM Reference Modelに必要不可欠な特許の提出を引き続き求めている。提出された特許は,独立した特許専門家が市場利益の観点から評価を行ない,必要と判断した場合は同モデルのライセンスに取り入れる。「DRM Reference Modelは今後も定期的に改訂を行う」(同社)

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