英Juniper Researchは英国時間1月12日,携帯電話向け着信音に関する調査結果を発表した。それによると,着信音の世界市場はすでにピークを迎えており,市場衰退の兆しが見えはじめているという。「2003年の世界市場は10億ドル超だが,今後は徐々に減少し,2008年には4億9000万ドルまで縮小する」(Juniper社)

 一方,モバイル機器向けのデジタル音楽(マスター・レコーディング)は今後も普及が進み,2008年には市場規模が約5億6000万ドルに達する見通し。ただし,本格的な普及にあたっては,解決すべき問題点がいくつかあるという。例えば,現在,ユーザーは家庭の高速接続で楽曲をダウンロードし,その後モバイル機器にアップデートする必要がある。

 Juniper社は、その他の主な問題として以下を挙げている。

・著作権,ライセンス供与,配信方法:基本的な問題が未解決
・セキュリティと著作権:暗号化とデジタル著作権利管理(DRM)の課題克服が急務
・デバイスの汎用性,機能,コスト:モバイル機器におけるデジタル音楽普及のカギは,対応するデバイス,ネットワークの数

 「モバイル・チャネルを通じたマスター・レコーディングの配信は,モバイル業界と音楽業界の両方が注目している。現在,モバイル向けメディアとして最も普及しているのがMP3プレーヤだが,モバイルを利用した音楽プロモーションの展開などにも関心が集まっている」(Juniper Research社シニア・アナリストのPaul Skeldon氏)

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