米Verizon Wirelessは,米NextWave Telecomが所有するニューヨーク首都圏の広帯域PCS用周波数免許を獲得する。Verizon社が米国時間7月8日に明らかにしたもの。購入総額は9億3000万ドル。

 Verizon社が取得するのは,ニューヨーク基本商業エリア(BTA:Basic Trading Area)を対象にした1.9GHz帯の10MHzブロック。同エリアにはニューヨークシティ,ニュージャージー州の北部および中部,ウエストチェスタとロックランド群が含まれ,人口は2010万人。

 Verizon社は免許取得により,音声およびデータ・サービス向けネットワークの向上を図る。免許委譲の手続きは,年内に完了する予定。

 またVerizon社は,米連邦通信委員会(FCC)が米Nextelのサービスによる干渉発生を避けるために,Nextel社に代わりの周波数帯を譲与する措置を決定したことについて,「米財務省は数十億ドルの収入を失うことになる」と非難するコメントを,同日発表した。Nextel社のサービスは,警察や消防などの公安機関が利用している電波と干渉を起こすとみられている。

 Verizon社は「FCCは,Nextel社が国民の緊急連絡にとって重要な通信に干渉を与える可能性があるというのに,その問題を解決するために合法的な措置をとらなかった。米国会は,この混乱を修正すべきだ。米国会やFCCの競売を通さずに,民間企業に数十億ドル相当の周波数帯を与えることは違法ではないのか?」と疑問を投げかけた。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]