米Cingular Wirelessは,米NextWave Telecomの周波数免許買収について,米国時間9月25日にニューヨーク州南地区の連邦破産裁判所から承認を受けた。Cingular社が9月26日に明らかにしたもの。

 Cingular社は,経営破綻したNextWave社から広帯域PCSの周波数免許を14億ドルで買い取る計画を,8月に発表。その時点で両社は合意に達していたが,正式な取引完了のために破産裁判所と連邦通信委員会(FCC)の承認を得る必要があった。

 今回,破産裁判所から認可がおりたことにより,免許委譲の法的手続きを進める。Cingular社は14億ドルを現金でNextWave社に支払い,FCCから運用の承認を得ることになる。NextWave社から免許を取得し,広帯域PCSの10MHzブロックを運用する対象地域は,ロサンジェルス(カリフォルニア州),シカゴ(イリノイ州),サンフランシスコ(カリフォルニア州),ダラス(テキサス州),ヒューストン(テキサス州),ワシントンDC,アトランタ(ジョージア州),ボストン(マサチューセッツ州),サンディエゴ(カリフォルニア州),バルチモア(メリーランド州),ポートランド(オレゴン州),サクラメント(カリフォルニア州),ラスベガス(ネバダ州),ソルトレイクシティ(ユタ州),アレンタウン(ペンシルバニア州),ハリスバーグ(ペンシルバニア州),スプリングフィールド(ミズーリ州),サラソタ(フロリダ州),マンチェスター(ニューハンプシャー州),ポートランド(メイン州),レイクランド(フロリダ州),ヨーク(ペンシルバニア州),ランカスター(ペンシルバニア州),ポーキプシー(ニューヨーク州),リーディング(ペンシルバニア州),ハガースタウン(メリーランド州),テンプル(テキサス州),ゲインズビル(フロリダ州),タイラー(テキサス州),ジョプリン(ミズーリ州),ソールズベリー(メリーランド州),カンカキー(イリノイ州)。またタンパ(フロリダ州)とエルパソ(テキサス州)における20MHzブロックの運用についてもFCCの承認を得る予定である。

 Cingular社は,ポートランド(オレゴン州),ソルトレイクシティ,エルパソ,マンチェスター,ハガースタウン,ソールズベリー,カンカキーを除き,NextWave社から免許を取得する地域ですでにサービスを提供しているが,「既存地域の周波数帯域を広げることで,サービスや製品を拡充し,主要地域におけるサービス提供範囲の拡大などを狙う」(Cingular Wireless社COOのMark Feidler氏)としている。

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