「世界のGSM加入者数は10億人に達し,北中南米の加入者数も急速に増えている」。無線通信の業界団体3G Americasが,米アトランタで開催中のCTIA Wireless 2004において米国時間3月23日に明らかにした。

 3G Americasによれば,パソコン・ユーザーが10億人に達するのには25年かかったのに対し,GSM加入者数は12年で10万人に達している。2010年までにGSM加入者が20億人に達すると予測しているアナリストもいるという。

 「北中南米において2003年2月~2004年2月の1年間で,GSM加入者は110%増加している。GSM方式は,同地域でもっとも多くの新規加入者に選択される無線技術となった。2003年に60社が新たにGSMサービスを開始とともに,EDGEを含む次世代サービスに向けて多くの通信事業者がTDMA技術からGSMに移行したことが要因となり,同地域のGSM加入者数は増加している」(3G Americas会長兼米AT&T Wireless社CTOのRod Nelson氏)

 同地域の47カ国において,現在152社のGSM通信事業者が存在する。これにはTDMA方式から移行した43社とCDMA方式から移行した6社も含まれる。同地域では現在,ハイチを除くすべての国と地域でGSM方式が利用できるようになった。

 同地域において達成されたもうひとつのマイルストーンとして,3G Americasは,第3世代技術のひとつであるEDGEサービスの提供を挙げている。EDGE技術は,既存の通信設備を有効利用してダイヤルアップ・サービスの3倍でデータ転送が可能になる。現在,バミューダ,ブラジル,カナダ,チリ,プエルトリコにおいて商用展開されている。

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