米In-Stat/MDRは,第3世代(3G)無線ネットワークの展開に関する問題を調査した結果を米国時間3月29日に発表した。同社によれば,3Gにまつわる数々の問題に反し,多くの通信事業者が商用サービスを開始している。また,まだ商用展開はしていないが,インフラ設備を購入している通信事業者も多く存在するという。

 3Gは,インフラ・コストの低減と容量の増強を可能にする。そのため,日本のように通信事業者が利用できる無線周波スペクトラムが制限されている地域の一部で成功している。欧州においては,低コストの維持に一役買っている。同地域では,他の通信事業者よりも低価格で3Gを利用した音声サービスの提供を始めた事業者がある。

 「マスコミは,長期間に渡り3Gに関する悲観的な予測を発表してきた。期待されていたよりも多少遅く,また規模も小さいかもしれないが,3Gは実際に展開されている。韓国と日本以外の地域において,3Gに関して欠如している大きな要素がひとつあるとすれば,それは加入者である」(同社主任アナリストのAllen Nogee氏)

 3Gサービス展開の遅れには,多くの要素が関係しているという。同社は,主な3つの理由として,あまり高価ではない優れた携帯電話機の欠如,技術的な問題,消費者の興味の欠落を挙げている。しかし,優れた携帯電話機が出現しており,大半の技術的問題も解消されている。現在は,消費者の3Gに対する需要がもっとも大きな問題となっている。同社は,新しい技術の利用が普及してユニークなサービスが増加すれば,3Gは価値のあるサービスに成長するとみている。

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