米IBMは米国時間6月29日,サービス・プロバイダに向けたミドルウエア製品群「WebSphere Everyplace Service Delivery(WESD)」を発表した。「WESDにより,次世代モバイル・アプリケーションおよびネットワーク・サービスを,さまざまなネットワークやデバイスで利用できるようになる」(同社)

 WESDは,「Mobile Portal」「Device Management」「Subscriber Management」「Telecommunications Application Server」などからなる。標準規格を採用した共通の開発および導入プラットフォームを提供し,サービス・プロバイダが最新の無線データ/音声サービスを提供できるようにする。

 例えばMobile Portalは,サービス・プロバイダがあらゆるネットワークに対応したWebベースのアプリケーションを運用できるように,デバイスに依存しないコンテンツ開発ツールを備えている。Device Managementは,クライアント・アプリケーションを効率的に管理し,カスタマ・ケアに要するコストを削減できる。またTelecommunications Application Serverは,デベロッパがWebサービスを介して,通話制御,音声メッセージング,テキスト/マルチメディア・メッセージング,位置およびプレゼンス情報といったネットワーク・サービス機能にアクセスできるようにする。

 IBM社は,「WESDの強味は位置情報,プレゼンス情報,メッセージングの3つの要素を統合できる点」と説明する。「パンクした車に一番近いレッカー車の手配,特定地域の天気予報,顧客の要望を満たす不動産情報とその場所までの道順といった,Webベースのサービスが実現する」(同社)

 なお同社によると,既に米SprintがWESDを導入しているという。

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