米Hewlett-Packard(HP)は米国時間6月23日,ID管理支援ソフトウエア「OpenView Select Identity」を発表した。さまざまなアプリケーションおよびシステムにアクセスする際のユーザー認証やセキュリティ設定の管理を簡素化する。

 OpenView Select Identityは,同社が2004年3月に買収した米TruLogicaの技術をベースにしており,「個人情報およびアクセス権管理のあらゆるプロセスを自動化する」(HP社)。IT管理者や情報セキュリティ担当者は,エンド・ユーザーのアクセス許可を即座に更新し,あらかじめ定義した業務ポリシーやプロセスに応じたITリソースを利用可能にできる。

 HP社HP Services部門バイス・プレジデント兼CTOのTony Redmond氏は,「OpenView Select Identityは当社のID管理製品に,より高度な自動化機能を追加する。顧客は,セキュリティ管理にかかる時間とリソースを節約しつつ,ネットワークの安全性を確保することができる」と説明した。

 HP社は,OpenView Select Identityを同社のID管理製品「OpenView Select Access」と組み合わせ,「アクセス管理を自動化し,企業のセキュリティを向上する完全な個人認証管理ソリューションとして提供する」(同社)。これにより,ID管理の全工程をサポートし,ネットワークや企業リソースへの安全なアクセスを統合的に管理できるようにする。

 またHP社は,コロラド大学ボルダー校がOpenView Select Accessの導入を決定したことを明らかにした。同校は,キャンパスのオンライン・サービスを単一の管理フレームワークに集約し,大学のネットワーク全体にわたって管理の柔軟性と安全性の向上を図る。同校のネットワークは,「200の学科で3万人の学生が利用している」(コロラド大学ボルダー校のJon Giltner氏)

 ちなみに,米IDCの調査によると,ID管理市場は2002年の6億ドル規模から,2007年には40億ドル近い規模に拡大する見込みだという。

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