米Hewlett-Packard(HP)は米国時間3月11日,同社がプロビジョニング自動化技術の米TruLogicaを買収することで最終合意に達したと発表した。これによりHP社は,TruLogica社のユーザー・プロビジョニング自動化技術を「OpenView Select Access」に組み込み,ID管理機能の強化を図る。なおHP社は,買収金額など詳しい取引条件については明らかにしていない。

 TruLogica社は,テキサス州ダラスに拠点を置く非公開企業。ユーザー・プロビジョニング関連ソフトウエアを提供している。同社のソフトウエアを利用すると,複数システムにまたがるユーザーのアクセス権管理という手間のかかる作業を自動化できる。「一般的なIT環境だと,こうした管理は手作業で行われ,完了までに平均7日間かかる。TruLogica社の製品を使えば数時間で済むので,重要な業務に対するITシステムの対応速度向上につながる」(HP社)

 買収後,TruLogica社はHP社のソフトウエア・グローバル事業部門に所属し,製品はOpenViewソフトウエア・チャネルを通じて販売する。またTruLogica社の所有する技術は,HP社の技術システム・グループ,顧客ソリューション・グループ,コンサルティング/統合サービス・グループでも利用する。

 ここのところHP社は,大企業向け戦略「Adaptive Enterprise」を強化するため,ソフトウエア管理技術を手がける企業の買収を進めている。同社が買収を終えた,または買収手続き中の企業は以下の通りである。

・米Consera Softwareおよび米Novadigm。Consera社の買収は2004年2月に完了し,Novadigm社については株主の承認などを待っている状態(関連記事)。

・米Persist Technologies。情報ライフサイクル管理技術を提供する。

・米Talking Blocks。Webサービス管理ソリューションを提供する(関連記事)。

・アイルランドBaltimore Technologiesのソフトウエア製品「SelectAccess」に関連する資産(関連記事)。SelectAccessは,米Oracleのアプリケーション・サーバー「Oracle9i Application Server(Oracle9iAS)」向けのアクセスおよび認証管理製品。

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