米Microsoft,米IBMなど7社は,Webサービス環境下でID管理などを統合するための仕様「WS-Federation」について,各社の製品を接続して運用するデモンストレーションを実施した。Microsoft社が米国時間5月25日に明らかにしたもの。Microsoft社とIBM社のほかにデモンストレーションに参加した企業は,米Netegrity,米Oblix,米OpenNetwork Technologies,米Ping Identity,米RSA Security。

 WS-Federationは,Microsoft社,IBM社,米VeriSignが2002年4月に発表したWebサービス向けセキュリティ仕様「WS-Security」の構成要素の1つ。一連のWS-x仕様を利用してID管理を連携させると,特別な技術を使うことなくWebサービス間の相互接続性を確保できるという。WS-Federationは,異種環境における信頼関係の管理と仲介方法を記述する。ID,アカウント,属性,認証,認定といった情報をより安全に連携させるための仕組みも定義している。

 なお,WS-SecurityはXML関連の標準化団体OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)に提出され,OASISはそれをベースにOASIS標準「Web Services Security(WSS)1.0」を策定した。

 Microsoft社サーバー&ツール・マーケティング担当副社長のAndrew Lees氏は,「企業同士を接続すると,プロセス合理化が可能で新しいビジネス・チャンスを得られることから大きなメリットになるのだが,パートナとの接続は複雑でコストに見合わないことが多いという声を聞く」と述べる。「デモンストレーションでは,各社の製品を接続できることと,エンタプライズ規模の製品に相互接続性があることを示した。こうして実現するID連携により,安全生の高い企業間商取引(BtoB)と,Webサービス標準を利用した協業が容易になる」(同氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Microsoft社がWS-Federation対応製品をリリースするのは,2005年後半に予定している「Windows Server 2003 R2」以降になる見込みという。

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