米BEA Systemsは,同社の新構想「Liquid Computing」のモバイル要素となる「Alchemy」(開発コード名)について明らかにした。BEA社の開発者向けカンファレンス「eWorld 2004」で,同社チーフ・アーキテクト兼Advanced Development部門担当副社長のAdam Bosworth氏が基調講演を行ったもの。

 Liquid ComputingはSOA(サービス指向アーキテクチャ)を基盤としており,「企業におけるITの機動性を月単位から分単位に高め,サービス駆動型のビジネス・モデル構築を支援するのが狙い」(同社)。SOA向けに最適化したAlchemyでは,すべてのモバイル機器に対応可能な“汎用クライアント・プラットフォーム”を開発し,デスクトップ・パソコン向けのWebアプリケーションと同レベルの機能性を提供するねらいだという。「一貫性のあるユーザー・インタフェースによって,モバイル機器を利用する社員の生産性をオフライン/オンラインの両方で向上する」(Bosworth氏)

 Alchemyでは,XHTML,SynchML,JavaScriptなどの業界標準とSOA機能拡張を使って,高度なモバイル・アプリケーションをより簡単に設計できるようにする。米メディア(CNET News.com)によると,Alchemyは複数のコンポーネントで構成する。クライアント側で動作するソフトウエアがデータを保存し,オンライン時にはサーバーとのデータの同期を行う。また,サーバー側のコンポーネントは,他のソースからのデータ入手など,Webクライアントの要求を処理する仕組みである。

 「ユーザーに必要なのはブラウザのような明快さだ。Alchemyによって,開発,導入,保守とサポートが容易で,あらゆる企業アプリケーションのユーザー・インタフェースとして通用するモバイル向け汎用プラットフォームを提供する」(同氏)

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