「消費者のオンライン・バンキングに対する懸念は消え去っていないものの,米国家庭のオンライン・バンキング利用は確実に増加している」。米TowerGroupはオンライン・バンキングに関する調査結果を米国時間5月20日に発表した。2003年から2007年にかけて,米国におけるオンライン・バンキングの利用世帯数は年平均9%増加する見込みだ。
オンライン・バンキングを利用する米国家庭は1996年にはわずか240万世帯だったが,2003年には2920万世帯を突破した。2007年には米国家庭全体の約37%にあたる4250万世帯が利用するようになる。
「オンライン・バンキングは,金融機関の標準的なチャネルの1つとして確立されている」(TowerGroup社配信チャネル部門シニア・アナリストのGeorge Tubin氏)
その他のおもな調査結果は以下のとおり。
・米国家庭の80%以上が,支店訪問,電話,オンライン,ATMなど,複数のチャネルを組み合わせて金融機関を利用している
・オンライン・バンキングの利用に消極的な消費者の意見は,「コストが高い」「セキュリティに不安がある」「処理のミスが心配」「他の利用手段で十分」など
・オンライン・バンキングの大手は,チェック(小切手)画像や請求書決済などへの無料アクセスを提供したり,顧客の利用動向を調査し,Webサイトのナビゲーションやユーザビリティを簡易化するなど,オンライン・バンキング普及のための対策を実施している
・オンライン・バンキング利用者と非利用者を比較した場合,オンライン・バンキング利用者の方が,顧客サービスへの問い合わせが30%少ない。
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