欧州,日本,韓国,台湾,米国の半導体業界が参加する世界半導体会議(WSC:World Semiconductor Council)が,半導体設計資産(IP)保護に取り組む団体「Intellectual Property(IP)Task Force」を立ち上げた。WSCが年次会を開催した韓国の釜山で,米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)が現地時間5月13日に明らかにしたもの。

 IP Task Forceが採択したポリシー・ペーパーでは,IC設計の知的財産保護に向けた複数の手法を設定しているという。WSCは各国の政府や当局に対し,IP保護に関する法規制を導入するよう呼びかけた。

 「WSCの新たなIPポリシーと,法律施行に向けた働きかけは,半導体設計の違法複製を防止する突破口となるだろう」(SIA議長のGeorge Scalise氏)

 WSCは同年次会で,IPをはじめ,環境保護や取引などに関する公共政策の多数の問題について協議し,世界の半導体業界における長期的発展を目指したさまざまなポリシー勧告をリリースした。「WSCは,半導体業界の将来を左右する政策や課題について話し合うためのフォーラムを提供している。こうした場所で,半導体メーカーは,環境保護,社員の安全衛生,公共政策に関する情報を共有することができる。ひいては,半導体技術の進歩による恩恵を消費者にもたらすことができる」(SIA)

 各国政府および当局に向けたWSCの勧告に含まれるその他の主な内容は以下の通り。

・デジタル装置およびブランクの記録メディアへの課税を禁止すること

・複数のチップを搭載したICを通常のICと同様の関税分類として扱うこと

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