米In-Stat/MDRが米国時間4月21日に,世界半導体市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場は2001年に前年比32%減と大幅縮小し,その後2002年に低迷したものの,2003年には前年比18.3%増となり復活しつつある。In-Stat/MDR社は,2004年の市場規模を前年比29%増の2147億ドルと見込む。この値は,2000年に記録した年間売上高の最高額とほぼ同等という。

 同社は2005年もそれなりの成長が続くとみるが,2006年に一時的に売上高が減少し,2007年から2008年にかけ再び拡大傾向になる。「2001年の再来がすぐ起こることはないだろうが,現在の回復力は“古きよき時代”への回帰とはいえない。半導体市場では,需要と供給の両方で根本的な変化が起こりつつある。その結果,今後10年間の状況はこれまでとまったく異なるだろう」(In-Stat/MDR社ジェネラル・マネージャのMark Kirstein氏)

 In-Stat/MDR社が予測する同市場の今後の状況は主に以下の通り。

・需要側:
 1990年代に市場をけん引したパソコンと携帯電話機のようなキラー・アプリが,現時点では存在しない。さまざまな少量生産品が標準化や競争激化の影響を受け,平均販売価格の抑制と売上高拡大の歯止めの要因になる

・供給側:
 CMOSプロセスの普及により,製品価格が低いまま推移している。とりわけ中国で顕著な製造受託会社(ファウンドリ)の成長が激しい競争状態を継続させるため,ウエーハは長期的に低価格を維持する。設計業界では,より賃金の安い地域への移行が設計コストの上昇を緩和すると同時に,標準ベースの設計作業の増加が設計資産(IP)コストを抑える

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