EDAや半導体業界などの企業が,半導体IP(設計資産)に関する業界標準の策定を進めるコンソーシアム「SPIRIT(Structure for Packaging, Integrating and Re-using IP within Tool-flows)」を立ち上げた。同コンソーシアムが米国時間6月2日に明らかにしたもの。

 SPIRITの設立メンバーは,英ARM,米Beach Solutions,米Cadence Design Systems,米Mentor Graphics,オランダのRoyal Philips Electronics,仏伊合弁のSTMicroelectronics,米Synopsys。

 同コンソーシアムは,半導体IPの記述とパッケージ化について標準規格を定め,「より効率的で柔軟な半導体IPの選択,使用,統合を目指し,それに伴うコスト削減を図る」(SPIRIT)としている。

 「SPIRITは,現在の半導体業界が抱える重要な問題の解決に取り組む。その問題とは,IP統合の複雑さである。設立メンバーがそれぞれ得意とする技術的知識を持ち寄り,複雑なIP記述の簡素化やSoC設計の効率化を促進するための標準規格を確立する」(SPIRIT委員長のRalph von Vignau氏)

 半導体設計者は,IP統合の条件や性能,構成機能などを記述する仕組みを必要としている。SPIRITは,複雑なIPライブラリをSoC設計ツール・セットに取り入れる仕組みを開発し,2つの標準規格案「メタデータの定義」と「ツール統合API」を作成する予定である。メタデータの定義では,IPを記述する共通の手法を作り,インテグレータがさまざまな企業からIPを選択して使用できるようにする。ツール統合APIでは,ツールとIPの枠組みを連携させるための標準手法を提供する。

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