米In-Stat/MDRは米国時間5月5日に,半導体IP(intellectual property)プロバイダの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,半導体IPプロバイダの売上高は,2002年に6億9840万ドルに達した。2007年末には,15億330万ドルに拡大する見通しだという。

 半導体IPとは,電子回路の機能ブロック(コア)の設計データをライブラリ化したもの。ロジック,メモリー,アナログの3カテゴリに大別できる。

 「半導体IPプロバイダ市場は,半導体業界で最も急速に変化している分野の一つだ。あらゆる民生機器に搭載される全てのチップは,一つ以上のIPコアを実装している。この技術が無ければ,我々が当然のように利用している製品は存在しないか,あるいは手が出ないほど高価なものになっているだろう」(In-Stat/MDR車上級アナリストのJerry Worchel氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・売上高ベースの割合が最も大きいカテゴリは,ロジックである。2002~2007年に,市場売上高全体の70%以上を占める

・ライセンシング・モデルについてみた場合,半導体IPの売上高は,主として年間ライセンシングとロイヤリティによって生み出される。次いで,一括支払いの使用料とロイヤリティが市場収入を支える。両モデルを合わせると,市場全体の売上高の約2/3を占める

・地域別でみた場合,半導体IPのライセンシング収入が最も多いのは米大陸だ。2位は欧州,僅差で日本がそれに続く

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