米GartnerのDataquestが英国時間4月30日に,2001年における半導体IP(intellectual property)の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,市場の売上高は8億9200万ドルで,前年比25%の成長を遂げた。2000年の売上高は7億1400万ドルだった。

 Dataquest社は「半導体IP」を,電子回路の機能ブロックの設計データをライブラリ化したものと定義している。半導体IPはASIC(特定用途向けIC),ASSP(特定用途向け標準品),PLD(プログラム可能な論理素子)などの半導体デバイスに実装されている。

 英ARM,米Rambus,米MIPS Technologiesの3社が相変わらず市場で優勢を保っているが,3社の市場シェア合計は,その他のベンダーのシェア合計には及ばなかった。Dataquest社Semiconductor Industry Worldwideグループ主席アナリストのJim Tully氏は「集中化の傾向が弱まったのは,市場が未成熟なためである。市場で勢力を持つ企業による合併や買収が少なく,新規参入企業が市場シェアを分散させた」と説明した。しかし同氏は,市場の成熟とともにこの状態は変わると指摘した。

■ 世界半導体IPベンダーの売上高別トップ10(単位:100万ドル)

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                     2001       2001年      2000年    2000年   2000~2001年
                    売上高    市場シェア    売上高   市場シェア   成長率
企業名                          (%)                (%)     (%)
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ARM                  179.0       20.1      130.1       18.2       37.6
RAMBUS               107.3       12.0       95.1       13.3       12.8
MIPS Technologies     70.2        7.9       88.5       12.4      -20.7
Synopsys              45.0        5.0       33.8        4.7       33.0
TTP Com               34.9        3.9       24.1        3.4       44.9
Virage Logic          34.8        3.9       22.8        3.2       52.9
Mentor Graphics       30.5        3.4       34.1        4.8      -10.5
Parthus Technologies  30.0        3.4       16.1        2.3       86.8
Artisan               27.8        3.1       20.8        2.9       33.6
DSP Group             26.6        3.0       25.1        3.5        6.0
その他               305.5       34.3      223.0       31.3       37.0
合計                 891.6      100.0      713.5      100.0       25.0
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出典:Dataquest社(2002年4月)

 カテゴリ別でみた場合,マイクロ・プロセサの売上高が2億9200万ドルで,半導体IP市場全体のうち最も大きな割合を占めた。同カテゴリでは,ARM社とMIPS社が市場をリードしている。次いで売上高が大きいのはPCI,USB,IEEE 1394といったバス・インタフェースIPのカテゴリで,1億4000万ドルを創出した。同カテゴリは標準機能の検証が容易なため,サードパーティのIPプロバイダに人気が高い。

 半導体IP市場はまだ成長過程にあるため,さまざまなビジネス・モデルが試験的に導入されている。Tully氏によると,IPベンダーはサービスの重点をどこに置くべきか,明確にする必要があるという。「独自のテクノロジ,応用に関するノウハウ,サポート・サービス,製品の評価と購入を容易にするサービスなど,自社が提供する強みをビジネス・モデルの中核に据えることが肝心だ」(同氏)。

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