米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は2002年2月の世界半導体市場に関する調査結果を米国時間3月29日,発表した。2月における世界市場の売上高は100億1000万ドルで,1月と比べて横這い。アジア太平洋地域と米大陸の売り上げ増加が,欧州および日本の不振を補った。
「消費者による携帯電話機,DVD装置,デジタルカメラへの需要が高く,半導体製品の売り上げが若干上昇した。企業による支出増加はまだみられないものの,消費者市場は引き続き伸びており,在庫の補充も進んでいる。こうした要因が全体的な市場の回復を促している」と,SIA議長のGeorge Scalise氏は説明する。また,今後の見通しについて,「2002年第1四半期は予測通り横這い~若干の成長となる見込み。第2四半期はわずかに成長の速度が増し,2002年後半に急速な盛り上がりをみせる」(同氏)と述べた。
「2月はDRAM市場が1月と比べて24%成長した。引き続き価格が回復し,全地域で売上高が増加した」(同氏)
米大陸とアジア太平洋地域はそれぞれ前月比2.0%と0.3%成長し,両地域で2月における全売上高体の約60%を占めた。欧州と日本の売上高は,それぞれ1.5%,1.2%減少した。
■前月比(単位:10億ドル)市場 | 2002年1月 | 2002年2月 | 成長率 |
米大陸 | 2.47 | 2.52 | 2.0% |
欧州 | 2.13 | 2.10 | -1.5% |
日本 | 2.01 | 1.99 | -1.2% |
アジア太平洋 | 3.40 | 3.41 | 0.3% |
合計 | 10.01 | 10.01 | 0.0% |
■前年同月比(単位:10億ドル)
市場 | 2001年2月 | 2002年2月 | 成長率 |
米大陸 | 4.75 | 2.52 | -47.0% |
欧州 | 3.34 | 2.10 | -37.3% |
日本 | 3.77 | 1.99 | -47.2% |
アジア太平洋 | 3.62 | 3.41 | -5.9% |
合計 | 15.48 | 10.01 | -35.3% |
■3カ月移動平均 (単位:10億ドル)
市場 | 2002年1月 | 2002年2月 | 成長率 |
米大陸 | 2.50 | 2.52 | 0.6% |
欧州 | 2.32 | 2.10 | -9.6% |
日本 | 2.32 | 1.99 | -14.5% |
アジア太平洋 | 3.46 | 3.41 | -1.4% |
合計 | 10.60 | 10.01 | -5.6% |
◎関連記事
■1月の世界半導体市場は前月比1.7%減,「2002年後半は2桁成長を見込む」,とSIA
■2001年Q4の世界半導体市場はQ3から横ばい,日本以外で回復のきざし
■半導体業界が2002年に回復に向かう兆し,米Industrialinfo.comが報告
■世界半導体業界は01年Q4から回復,03年/04年は連続して21%成長の見込み
■2001年の世界半導体製造装置市場は前年比41%減,日本は17%減で「他の地域よりまし」
■2001年の半導体製造装置市場,前年比は38%減で過去最悪
■12月の北米半導体製造装置業界,受注/出荷額とも前月から増加するも前年同月から大幅減
■半導体製造の設備投資額,2001年に29%減,製造装置市場の規模は37%縮小,米データクエストの調査
[発表資料へ]