米GartnerのDataquestが米国時間12月13日に,世界半導体市場に関する調査結果(速報値)を発表した。それによると,2002年における売上高の合計は1554億ドルで,2001年に比べ1.4%増加した。ただし,DRAM分野を除くと前年比2%減となる。なお2001年の売上高は,前年比32%減だった。
市場の状況について,Dataquest社世界半導体グループ主席アナリストのRichard Gordon氏は,「悪い状況が半導体業界を抑圧し続けており,成長のわずかな機会すら生かせずにいる」と分析する。「しかし,特定の製品や用途に注力したベンダーのなかには,2002年に注目をひく成果を達成したところもある。特筆すべきなのは韓国のSamsungだ。同社の売上高は,今や米Intelに続く2位の位置にある」(同氏)
世界半導体市場の売上高ではIntel社が11年連続して首位を守った。ただし,Intel社の売上高は前年に比べ3.1%減少している。Samsung社はDRAMおよびフラッシュ・メモリーの売上が好調で,前年比29.5%増と大きく成長した。
■半導体ベンダー上位10社の推定売上高(速報値,単位は100万ドル) --------------------------------------------------------------------------------- 2002年 2002年 2001年 2001年 2000年~2001年 メーカー 売上高 市場シェア 売上高 市場シェア 成長率 --------------------------------------------------------------------------------- Intel 24,150 15.5% 24,927 16.3% -3.1% Samsung 8,165 5.3% 6,303 4.1% 29.5% 東芝 6,529 4.2% 6,783 4.4% -3.7% STMicroelectronics 6,305 4.1% 6,360 4.2% -0.9% Texas Instruments 6,200 4.0% 6,060 4.0% 2.3% NEC Electronics 5,681 3.7% 5,389 3.5% 5.4% Infineon Technologies 5,355 3.4% 4,386 2.9% 22.1% Motorola 4,800 3.1% 4,828 3.2% -0.6% Philips Semiconductor 4,355 2.8% 4,402 2.9% -1.1% 日立製作所 4,123 2.7% 4,724 3.1% -12.7% その他 79,737 51.3% 79,080 51.6% 0.8% 合計 155,400 100.0% 153,242 100.0% 1.4% --------------------------------------------------------------------------------- 注1)日立およびNECによるDRAMの売上高は,両社の合弁会社Elpidaによる。 注2)東芝によるDRAMの売上高は,米Micron Technologyによる。 注3)会計年度中に企業あるいは事業部門が買収/売却された場合は, Dataquest社が個別に売上高を含めるか否かを判断した。 出典:Dataquest社(2002年12月)
そのほかの主な調査・分析結果は以下の通り。
・Intel社が今後もマイクロプロセサとNORフラッシュ・メモリー市場を支配し続ける
・Samsung社はDRAM,SRAM,フラッシュ・メモリーという幅広い製品を手がける包括的なメモリー・ベンダーで,優位な価格付けを行うことのできるブランドとなっている
・ドイツのInfineon Technologiesが引き続きDRAMの市場シェアを拡大している。同社は300mmウエーハを使った製造技術により,DRAM市場においてトップであり続ける
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