半導体設計会社の米Patriot Scientificは,同社の特許を侵害している可能性があるとして,新たに150社以上に警告の通知を送付した。同社が米国時間4月23日に明らかにしたもの。

 同社が問題としている特許は,米国特許番号「5,809,336」。タイトルは「High performance microprocessor having variable speed system clock」で,1995年6月7日に申請し,1998年9月15日に成立した。CPUとリング発振器を組み合わせた可変速システム・クロック搭載の高性能マイクロプロセサに関する技術である。

 Patriot Scientific社によると,通知を送付した相手は,半導体,通信装置,コンピュータ・ハードウエア,エレクトロニクス機器,コンピュータ周辺機器,科学および技術計器,コンピュータ・ストレージ,コンピュータ・ネットワーク,オフィス機器などの分野の大手企業だという。

 Patriot Scientific社は今回の通知送付について,「特許権を保護するため」と説明。なお,同社はこれまでに,ソニー,富士通,東芝,NEC,松下電器産業を特許侵害で提訴しており,数億ドルの損害賠償を求めている。Patriot Scientific社の主張によれば,「問題の特許は,1500億ドル分の半導体に組み込まれている」という。

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,Patriot Scientific社は2003年12月~2004年2月期に,売上高約3384ドルで,97万6000ドルの純損失を計上している。1987年に設立され,一時は32人まで増えた従業員数も,現在では8人程度である。

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