米Gartnerが米国時間2月25日に,2004年の世界半導体市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場の売上高は前年比22.6%増の2170億ドルに達する見通しだ。
Gartner社リサーチ担当バイス・プレジデントのRichard Gordon氏は,「2004年は供給がひっ迫気味となり,業界に大きな収益をもたらすだろう」と予測した。さらに同氏は,「全体的な工場稼働率が95%を超え,設備投資を誘因する数値を約10ポイント上回っている。半導体ベンダーの財政状態が改善するにつれ,設備投資も増えるはずだ」と分析した。
Gartner社によると,2004年の予測は意図的に控えめだという。「供給側のさまざまな要素は,市場の強い成長を示唆しているが,需要に関して不透明な部分が多いため」(同社)である。
「しかし,価格の安定とリードタイムの長期化が,メモリーなどいくつかのデバイス市場で需要を喚起している。この傾向がさらに拡大すれば,2004年の売上高が前年比で30%を超えることもあり得る」(Gordon氏)
2004年に設備投資が増えた場合,2005年の生産能力は活性化する。供給不足が緩和されることで,リードタイムが短縮し,価格は軟化する見通しだ。しかし,Gartner社はそのような市場環境にも関わらず,2005年が景気サイクルのピークとなり,売上高が2450億ドル以上になると予測する。2006年には供給過剰が価格の低下を招き,売上高は前年比2.3%減になる。
■ 2004年半導体市場の売上高予測(速報値) 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 年平均成長率 2003~2008年 売上高 155.8 177.0 216.9 245.8 240.2 265.3 293.8 10.6% 前年比 13.6% 22.6% 13.3% -2.3% 10.5% 10.7% (単位:10億ドル) 出典:Gartner社(2004年2月)
(単位:10億ドル)
出典:Gartner社(2004年2月)
過去2年間は,携帯電話や民生電子機器など,消費者向けデジタル製品が半導体の需要をけん引してきた。また最近は,多くの企業がパソコンの買い替え時期を迎えていることから,パソコンも半導体の需要を後押ししている。Gartner社は,今後,世界経済の回復が進むにつれ,無線通信分野をはじめとする広範な分野で,需要の改善を見込んでいる。
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