米Cinergyの子会社であるCinergy Broadbandと米Current Communicationsは,電源線を介した広帯域接続(BPL:Broadband over Power Line)サービスを共同で提供する。両社が米国時間3月2日に明らかにしたもの。「ユーザーは,家庭にあるコンセントを利用して,手軽に広帯域接続を行えるようになる」(両社)

 同日よりオハイオ州でサービスを開始するほか,ケンタッキー州とインディアナ州にも対象を広げる。VoIPサービスのバンドルも予定している。両社はさらに,地方自治体の電力会社や,全米各地の小規模な電力会社にも同サービスを売り込む計画である。

 BPLサービスでは,HomePlug準拠のモデムによる常時接続が可能で,上り/上りともに3Mbps以上の通信速度を提供する。また,既設の家庭内コンセントを利用して,容易にLANを構築できる。

 Current Communications社は,オハイオ州南西部のシンシナティでBPL試験サービスを約1年以上提供しており,「ユーザーの評判が極めて良かったため,商用サービスに踏み切った」(同社)という。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,月額料金は通信速度によって異なり,29.95~39.95ドル。

 Cinergy Broadband社社長のWilliam J. Grealis氏は,「ユーザーは,BPLサービスが低額でありながら高速で信頼性に優れ,容易にネットワークを構築できることに驚くだろう」と述べた。

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